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伝説力士の雷電為右衛門から関八州のスーパーヒーロー国定忠治 名製作者と重なる父子鷹




親子は血のつながりだけがすべてではありません。養子も親子ですし、師弟のつながりもある意味で親子かもしれません。また、中島貞夫のように映画監督として映画人としての尊敬から、歴代巨匠マキノ雅弘のことをオヤジと慕う人物がいます。これも血のつながりに縛られない親子の形かもしれません。


前回の記事を踏襲した「伝説力士の雷電為右衛門から関八州のスーパーヒーロー国定忠治 名製作者と重なる父子鷹」のスタートです。





前回記事⇒四方向活躍クロニクル 大プロデューサー飯島敏宏のテレビドラマ代表的作品群





のちの名プロデューサーの一次的弟子入り志願 演出補佐の意味






飯島敏宏は、子母澤寛(子母沢寛)原作のテレビドラマ版の国際放映とTBSの時代劇ドラマ『父子鷹(1964)』(全15話)に参加しています。後の勝海舟となる息子の麟太郎を育てた、豪傑な父の勝小吉(中村竹弥=TBSテレビ専属の時代劇スターで多くの人気時代劇で主演、好評を博した)を主人公に周囲の人々の交流などを交えて描いた時代劇です。

勝海舟の誕生には父親の存在が大きいという解釈を交えた作品で、個人的にも視聴しています。以前にCS放送のホームドラマチャンネル(松竹のCSチャンネの一つ)で放送されましたが、最近はモノクロ作品が放送されず残念で、自宅のVHSに録画が残されています。

地味ながら主演をきちんと使って見せ場を作るなどの実に基本的な作りで見ごたえがある話数がありました。豪傑ながら芯があり優しい中村竹弥の好演が随所に光ります。妻役は小山明子です。


飯島敏宏はこの『父子鷹(1964)』に演出ではなく、演出補佐という形で参加しています。これには大きな意味があったのではないかと考察しています。何故なら『父子鷹(1964)』の時点、現代劇と時代劇のテレビドラマで演出経験が20作に迫るそこそこの履歴でありながら、演出補佐で参加することは比較的珍しいことであり、”事実上の一級の映画監督への一時的な弟子入り志願”ともいえるでしょう。

戦前の時代劇黄金期を経験している時代劇のベテランの滝沢英輔(重要な1、2話担当)や中川信夫から時代劇、時代劇映画、時代劇ドラマや現代劇の制作につながるの多くの要素を学んだことが考えられます。のちのプロデューサーと演出の代表作の一つ『俄-浪華遊侠伝-』(1970年の時代劇ドラマ)にも影響や経験があるものかと考えられます。






テレビドラマスター中村竹弥と歴代丹下左膳







飯島敏宏の『父子鷹(1964)』の演出補佐のときの主演俳優の中村竹弥は、いわゆる日本のアウトローヒーロー的位置づけの丹下左膳も演じています。日本の実写歴代10位に入るレべルに位置する有名な主演の役柄です。


丹下左膳(3巻組) [DVD]
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中村竹弥が主演した丹下左膳の1966年放送のテレビドラマ版、放送期間は2クールの30分枠で放送されました。

丹下左膳は1920年代から多くの大スターや名優が演じてきました。主演150作強で日本映画の歴代上位ベスト5級の活躍をした大河内傳次郎は1928~1954年までの26年18度演じ、主演代表作は少ないが現代劇と時代劇を合わせてどうにか主演数100を越した苦難の映画スター水島道太郎は、恩人のマキノ雅弘とのコンビで3度、

大河内傳次郎以来の好評を得た東映の上位の映画スターの大友柳太朗は1958~1961年の日本映画の最大の黄金期に5度演じ、観客動員もそこそこの数字を残したと考えられます。1960年代に丹波哲郎、中村錦之助も映画で1度のみ演じました。映画は大河内傳次郎、次いで大友柳太朗が基本的な評価順です。

テレビドラマでは丹波哲郎が1958年から30分枠で半年間、丹波版の映画は1963年のため、テレビの後に映画でも丹下左膳を演じたことになります。辰巳柳太郎、松山英太郎、緒形拳、若山富三郎、高橋幸治、藤田まこと、最近は中村獅童が2004年に単発で演じています。個人的にはテレビは高橋幸治版が市川崑が関与したという面においても印象に残ります。1965年の大河ドラマ『太閤記』の織田信長役の印象が強いころに演じたということも大きな理由です。





飯島敏宏につながる2巨匠の滝沢英輔中川信夫A 滝沢英輔





滝沢英輔マキノ雅弘(当時マキノ正博)の「浪人街シリーズ」の3作や「崇禅寺馬場」(1928)などの名作の助監督を経て、マキノプロダクションの映画監督デビュー、『パイプの三吉』(1929)は高評価、前進座とP.C.L.(現東宝)の「戦国群盗伝」の前後編(1937)、東宝の『忠臣蔵 前篇』(1939)や年間上位の大ヒット『伊那の勘太郎』(1943)、名作時代劇の日活『国定忠治』(1954)、『白夜の妖女』(1957)、裕次郎映画の年間上位の大ヒット『世界を賭ける恋』(1959)、『しろばんば』(1962)、「男の紋章シリーズ」の4作(1964~1965)などを時代劇や現代劇と多くの代表作を残した80作強の映画監督、事実上の巨匠です。

戦後の日活映画は裕次郎映画の舛田利雄など、ほとんどが若手監督中心のため、数少ないベテランである彼が監督として、上手なバランスの役割を果たした貢献も存在します。


現在視聴できない作品もありますが、個人的には何度か見返している名作時代劇の『国定忠治』(1954)がもっとも一番好きです。基本的ながら実にきちんとしている内容で、丁寧さの中にも上手なメリハリ、展開、演技などバランスが良く上手で、テーマに忠実な実に正当派、総合的に映画としても優れています。

主演の名舞台俳優の辰巳柳太郎が新国劇で当たり役に一つにした国定忠治の映画、国定忠治が賭場で負けて捕まり、子分になったまま親分の下で大喧嘩へ参加した際、相手の親分の首を偶然ながら斬り取ってしまう場面が序盤にありますが、驚きと充実の「とったぞー」の叫び演技と合わせて場面の流れのスリリングさと噛み合いが記憶に残ります。



新国劇 極付 国定忠治 [DVD]
貴重な辰巳柳太郎主演の『国定忠治』の舞台新国劇 極付 国定忠治 [DVD]

上記写真は、国定忠治が大文字の英語で表示されていますし、同時に販売元のNHKが海外に発信したい意味も込められています。NHKとといえば海外へ都合よく逃げているとよく言われることが多いわけですが、これは非常に良いことなのでじゃんじゃんやるべきです。海外舞台が好きなスタンダードではない、日本の独自な伝統舞台の良さがあるからです。

日本舞台の主演男優のある意味ナンバーワンの大名優といわれた、辰巳柳太郎の円熟の演技が冴えています。共演の長年の盟友の島田正吾と新国劇後輩の緒形拳の役回りにも注目です。





飯島敏宏につながる2巨匠の滝沢英輔中川信夫B 中川信夫




中川信夫=市川右太衛門の右太プロ(=市川右太衛門のプロダクション)で1934年に映画デビュー、初期は地味ながらの活動、東宝で榎本健一の喜劇時代劇の『エノケンの森の石松』(1939)や『エノケンの誉れの土俵入』(1940)などを手掛け、『東海道四谷怪談』(1959)、『地獄』(1960)が有名な怪談映画は特に大きく、「怪談累が渕」、「亡霊怪猫屋敷」などの怪談、怪猫物も手掛けました。有名題材の「右門捕物帖」2作、「旗本退屈男」2作、大スター嵐寛寿郎のほぼ主演の映画出演300本記念『影法師捕物帖』(1959)の意味がある作品や遺作のATG作品『怪異談 生きてゐる小平次』(1982)も一定の評価を得ました。100作近い映画を残し、彼も巨匠といわれています。


個人的に最近の中川信夫の視聴映画作は、原作の尾崎士郎、主演の宇津井健の新東宝映画『雷電』(1959)、『続 雷電』(1959)が印象に残ります。いわゆる伝説の相撲取り、勝率9.5割強の雷電為右衛門(らいでんためえもん)を恋や力士道、激動を描く文芸要素を交えて描く時代劇映画です。ヒロインの北沢典子の出番も多め、前編は激動の少年期からの青年期に至る部分の流れは河川の集団喧嘩シーンなども良く、後編は兄弟子の谷風を演じた事実上劇中3番手の坂東好太郎(戦前に活躍した時代スター)が名演が光りました。後半は無理にまとめようまとめようの展開のわずらわしい部分に難があり、個人的には前半のほうが好きです。


映画『雷電』は『続 雷電』も同様の同様のオープニングが流れますが、オープニングがもっとも印象に残ります。出だしに「雷電、雷電・・・」と相撲を見ている観客を連想させる掛け声から始まる良い味、良いオープニング曲となっています。音楽は特撮曲の印象が強く、映画も多数の音楽を手掛けた渡辺宙明です。




中川信夫傑作撰DVD-BOX (初回限定生産)
中川信夫傑作撰DVD-BOX (初回限定生産)

中川信夫の怪談『東海道四谷怪談』、『亡霊怪猫屋敷』、『女吸血鬼』、『地獄』、『怪談かさねが渕』の映画5作とドキュメンタリー番組の「映画と酒と豆腐と ~中川信夫、監督として 人間として~」と予告編3本の収録は貴重です。







飯島敏宏の時代劇代表作に草間の影から両名の顔!?





時代劇というものは現代でいうと実写版のアニメの要素が強く、現代劇以上に創作する能力を求められます。現代劇はリアルさに行きがちですが、時代劇は作品によって異常なリアルさもありながらも、同時に非リアルな部分のメリハリも求められます。演出であれ、演技であれ、脚本の展開であれ、照明であれ、撮影であれ、設定であれ、現代劇だとおかしくなる要素を上手に描ける魅力があります。

飯島敏宏のプロデューサーや演出、実積の、縁の下、陰の立役者には『父子鷹(1964)』の演出補佐の経験が何処かの制作に備わっていたことでしょう。中川信夫と滝沢英輔との関わりの経験は特に時代劇作品ということがありますが、『俄-浪華遊侠伝-』(1970)へ影響をもたらしているはずです。




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関連タグ : 飯島敏宏, 中村竹弥, 中川信夫, 滝沢英輔, 父子鷹, 辰巳柳太郎, 緒形拳, 雷電為右衛門, 大河内傳次郎, マキノ雅弘,

[ 2019/08/29 19:39 ] レアドラマ探検隊 | TB(0) | CM(2)
立花孝志VSNHK&電通 真の戦いとあるべき日本の広告の未来
何故テレビはN党の立花孝志を干したのだろうか。彼のユーチューブの放送を見てもらうと理由は誰でもわかる。大きな理由は電通とテレビの密接な関与である。立花孝志はとNHKを批判を繰り返し、同時に事実上の電通を批判していることでもある。日本の広告会社は変化するべきだという意見に賛同する。電通が一強っだからだ。

このままだと電通の都合ばかりが日本や海外で通るようになり、日本の良く正当な広告が出来上がらない。電通の権力を落とし、他の広告会社のパーセンテージを上げていくことで、権力や支配ではない正当な広告が保てるのだ。これは日本国の未来ためでもある。

言うまでもないがマツコのテレビでぼろ儲けしているだけのダミーレベルであり、絵で言うとモチーフに過ぎない。立花孝志がいかにこの未来を切り開いてくれるのか注目する部分である。


もしあなたが日本人なら日本の良い未来を願うべきだ。


[ 2019/09/04 11:58 ] [ 編集 ]
阿呆 政治と文化は関係ないという阿呆なやから
政治と文化は関係ないという阿呆なやから特に女性にたくさんがいるようにテレ朝は9月4日の羽鳥の番組で過剰に報道した。

少なくてもある程度は関係はある事実がある。わかりやすいところだと例えば韓国は政治が介入し、芸能に多額のお金をかけている。この時点で無関係はありえない。最近で言えば日本も吉本芸人を大阪万博の誘致やイベントに関与させている、他にも日本のアニメ、漫画などを海外に発信させているのだ。他にもたくさんある。

この時点で政治と文化は関係ないという阿呆なやからの意見はただの知識無しの嘘や阿呆といわざる得ない事実がある。また阿呆は折らおらず、阿呆なやからはテレビ局でっちあげた嘘の人々だろうか

[ 2019/09/04 11:45 ] [ 編集 ]
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  • 七剣聖のほかに、片岡千恵蔵 市川右太衛門 長谷川一夫 嵐寛寿郎 阪東妻三郎 大河内傳次郎を『時代劇六大スター』(時代劇形成の戦前1920年代後半から1940年代かけてトップ6の意味と大きな活躍、その黄金期から戦後にかけて)と呼ぶこともあり
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  • 特に観客動員1位の東映は片岡千恵蔵と市川右太衛門のトップ、長谷川一夫は大映のトップとして戦後の映画黄金期(特に7年連続観客動員8億人の1955~1961)に多大な貢献と活躍、多くの後輩やテレビドラマにも大きく影響
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