伊沢一郎は「
特別機動捜査隊」の劇中では一番ベテランの年長からだと思われますが、”長さん”と呼ばれています。1972年に開始の「
太陽にほえろ!」において、
下川辰平が演じた野崎刑事も”長さん”と呼ばれていますが、
伊沢一郎の関根部長刑事が”長さん”と呼ばれているのは1960年代後半からなので、
下川辰平よりも先になります。
伊沢一郎は1930年代にデビューしているので、「
特別機動捜査隊」の事実上の主役に該当する刑事の立石主任役・
波島進と藤島主任役・
中山昭二よりも20年近く先輩になります。1950年代に東映でデビューした
波島進や新東宝でデビューした
中山昭二よりもかなりベテランです。ドラマの作風は全然違いますが、「
太陽にほえろ!」でいえば、風貌や雰囲気は違いがありますが、役柄の作品に対する機能は
下川辰平のような存在に位置しています。1972年のスタートの「
太陽にほえろ!」も1961年のスタートの「
特別機動捜査隊」の影響は少なからずの内容に受けているのです。
作ってしまったので映画の部分も取り上げます。ちょっとドラマと関与しています。
伊沢一郎の映画時代の主なスター共演者(共演順)
・戦前(1930年代~1945年)
山本嘉一、花井蘭子、轟夕起子、原節子、
滝口新太郎、岡譲二、入江たか子、花柳小菊、
小杉勇、江川宇礼雄、片岡千恵蔵、阪東妻三郎、
嵐寛寿郎、月形龍之介
・戦後(1945年~1960年代)
三益愛子、長谷川一夫、勝新太郎、市川雷蔵、
折原啓子 、若原雅夫、片岡千恵蔵、美空ひばり、
大川橋蔵、鶴田浩二、高倉健伊沢一郎は映画時代には、年数では
片岡千恵蔵とは約20年にわたって共演していますが、数では市川雷蔵が一番になっています。ドラも詳しいほうですが、映画時代の芸能は激動の時代でした。つっこみどころ満載ですが主演系だけでもそうそうたる共演者です。この共演した基本的にスター以上の俳優の中で、
滝口新太郎という俳優は知らない方が多いと思います。1930年代に現代劇を中心にで人気を得て、数は100作も出ていませんが、人気はそこそこあったといわれています。
片岡千恵蔵の1938年「人生劇場 残侠篇」(人生劇場の初の映画化)や同年の日活オールスターキャストの「
忠臣蔵 地の巻」、「
忠臣蔵 天の巻」、「
忠臣蔵 天の巻地の巻(総集編)」などの有名作にも出演しています。これらの映画より前の1932年・松竹の「
忠臣蔵 前篇 赤穂京の巻」、「
忠臣蔵 後篇 江戸の巻」にも出演。大石内蔵之助の息子・大石主税を表記した映画で通産5度も演じています。これは誇れることでしょう。
大物俳優ではなかったため、1943年に徴兵されて満州からシベリア抑留となって、戦後には戦前に活躍した映画スターだった
岡田嘉子とロシア(当時・ソ連)で結婚しています。滝口新太郎の死後、
岡田嘉子は日本に帰国後して「
太陽にほえろ!」のゲストや「東芝日曜劇場」などの単発テレビドラマにもちょくちょく出演しているのを確認しています。
岡田嘉子は驚いたはずです。日本に帰国して活動したら映画時代は終了してドラマ時代になっていたわけです。

伊沢一郎のほかにも「
特別機動捜査隊」を彩る俳優たちがいます。
鈴木志郎という俳優も出演しています。アナウンサーの鈴木史朗とは別人です。素人らしいベテランさが他にない雰囲気がある俳優で、西本捜査一主任役をドラマ初期のころから演じています。各班に捜査などの指示を出す仕事の役柄です。
西本は毎回登場するものの、出番がすごく少ない定められた出番だからこそ、一番の機能といえます。出番が少数に限られてることが味であり、作品にとって大事になっています。出番が無駄に多いようなでしゃばってはいけない、ましてや西本のプライベートが一際出てこないのがよいの部分です。出てきたら役柄の作品に対するイメージや空気を崩してしまいます。そんな西本捜査一主任は、とある出来事で「
特別機動捜査隊」から消えてしまいます。
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