前回の続きです。伊沢一郎という俳優、監督よりは多くの共演したスターに恵まれています。主演のスターとの共演で脇役としての自分の道を切り開き、長年の活動に結び付けたのではないでしょうか、そのように考えています。
前記事の
伊沢一郎が脇役で出演している”
三益愛子の母物シリーズ”の内訳は1948年の記念すべき第1作の「
母(1948) 」1949年の「
母燈台」1950年の「
母椿」、「
母(1958) 」、1958年の「
母の旅路」の5作に出演しています。簡単な内容は母親の目線を中心にした家族話です。子供や娘や夫のことなど、さまざまなトラブルを交えて、母の情愛を描き長期のヒットシリーズとなりました。これにも貢献しています。
三益愛子は舞台でも長年活躍した女優ですが、映画では脇役でも活躍しています。主演の代表作の母物シリーズは30作を越しているので十分なスターだと判断しています。
世界でも30作の映画シリーズと主演が女優は他に誰もいません。三益愛子はいわゆるスターらしいスターではなく、老け役も得意としていました。亡くなってだいぶ時間が経過していますが、個人的にも高く評価している名女優です。さまざまなテレビドラマでこの人だけの独自な名演を見かけていますが、記事が伊沢一郎なので、また別な機会にお話したいです。このころ松竹では、
佐田啓二や
岸恵子による大ヒットを記録した悲恋映画1953年「君の名は」の1作目に出演しています。
また、映画の大映の時代劇に出演していた1958~1960年の約3年間では、戦前から活躍する大スター・
長谷川一夫との共演が8作、
市川雷蔵とは19作、
勝新太郎と11作で共演(3名ともすべて助演)を果たす。映画時代にもっとも共演したスター俳優は
市川雷蔵でになります。
巨匠・
渡辺邦男による1958年の大映オールスターキャストの「
忠臣蔵」と1959年の「
次郎長富士」のオールスターキャスト作品と1960年の「
大江山酒天童子」で長谷川・雷蔵・勝の3名と同時に共演を果たしています。この大映時代に自身の生涯において、時代劇映画への出演のほとんどを成しています。伊沢一郎の特徴的な履歴部分といえるでしょう。
渡辺邦男について、全体が映画のことなのでこちらに書いています。良ければご覧ください。②⇒
歴代映画8大スターと10作以上のコンビを組み、多大な貢献した稀代の娯楽の巨匠⇒①
ついにひらくヒロイン女優の大輪の花・原節子と”のちの3大巨匠たち”1950年代に入ると、フリーと考えられる立場となり、上記の大映や戦前から縁のある日活や松竹などにも出演、1960年代に入ると専属といえるのだろうが東映の映画にのみ出演を開始しています。映画の東映時代には1962年「
太平洋のGメン」で主演の
片岡千恵蔵と”維新の曲”以来の20年ぶりの共演を果たす。戦後デビューの最大の映画スターの一人・
鶴田浩二の東宝時代から続く”暗黒街シリーズ”の1963年「
暗黒街の顔役 十一人のギャング」と同年の「
暗黒街最大の決闘」にも出演し存在感を残していますが、この2作には
高倉健と一緒に助演で出演しています。
映画の流れで東映の時代劇や現代劇への出演が続いていくと、博士役でテレビドラマの「
キャプテンウルトラ」(1967)にムナトモ博士役で出演して、「
キャプテンウルトラ(映画版)」(1967)にも出演を果たしています。「
特別機動捜査隊」よりは劣ると考えられますが、これもテレビドラマの助演の代表作といえそうです。

←中央は中田博久。1960年に日活のニューフェイスとしてデビュー、期間を経て1965年に東映で再び活動、脇役で映画やテレビドラマで活動。このキャプテンウルトラには主演。国産初の本格スペースオペラ作品であり、TBSの「ウルトラシリーズ」第3弾と位置づけられています。宇宙人やロボットが出てきたりして、敵との戦い、アクション、SFや宇宙の要素もあり、バラエティに富んでいて明かい雰囲気で楽しい内容だった記憶がある30分テレビドラマ作品です。残念ながら最近は再放送さえされていません。1961年からスタートしていた東映初の刑事ドラマにして大ヒット作の「
特別機動捜査隊」に1968年の300話過ぎから関根部長刑事役で長年にわたり出演を果たして作品のヒットを長年にわたり支えています。確認している限りでは、話数が空くこともありますがまだ出演しています。
他のテレビドラマでは1980年の時期までに東映の時代劇「
水戸黄門」、話数を重ねると日活から三船プロになる「
大江戸捜査網」に20度以上もゲストの出演をしています。現代劇ドラマにも数多く出演していますが、その中でも「
特別機動捜査隊」はテレビドラマの出演・助演の代表作的な作品としています。映画やドラマで約60年近く活動し、名脇役といってよい俳優の一人といえそうです。
生涯の1931~1980年の通産では180作以上の映画に出演しています。内訳は現代劇映画130作ほど、時代劇映画は50作強であり、長きにわたって足跡を残しています。1995年に83歳で没しています。
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