宝蔵院流から天下三本槍を駆け巡る児童名作『
あばれはっちゃく』につながる歴代通り名愛憎劇
今回は
あばれはっちゃくから独自な通り名におけるサイコロ転がしが展開していきます。ここに日本の映像コンテンツの愛憎劇がコダマします。
そこには宝蔵院流を巡る2名の槍の名人と「天下のご意見番」の天下三本槍がクロスしていました。さらに
半沢直樹も登場、ここにも同時に迫ります。まさに過去と現代は通じている、過去は古いだけではなく、現代の秩序を形成し、多くのことを伝え、教えている、破天荒で独自な展開です。
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【動画有】長五郎から長太郎へ「あばれはっちゃく」誕生裏を取れ 時代を飛び越えた国民的侠客から名作児童ドラマあばれはっちゃく 宝蔵院流 天下のご意見番 天下三本槍栗又厚あばれはっちゃく 膨大テレビドラマ327話のヒットの現実
あばれはっちゃくの内容は第1シリーズも良いですが、個人的には名子役の栗又厚が主演した第2の『男!あばれはっちゃく』の内容が一番、2番目が第1シリーズの『俺はあばれはっちゃく』です。第3は第2ほどは主人公の子供と周囲のバランスのかみ合いが弱めに感じてしまい、シリーズの第4シリーズ、第5シリーズはさらにこの要素が弱めのように感じてしまいます。
第2は子役たちの演技のバランス、そこに入り込む大人たちやキャラクターの不協和音も上手で、登場人物たちに愛着が湧きやすい内容が特に高く確立、上手にパターン化したように感じられました。ですが、あくまでこれは個人的な意見です。
「あばれはっちゃくシリーズ」は上記の個人的な意見だけではなく、世間的な受けも2作目が一番評判がよかったようです。それは話数にも表れていていて、全102話+スペシャルドラマ版が2本制作されています。全5シリーズ最多話数とスペシャルドラマ版2本にも、この評判の高さが出ているのではないでしょうか。スペシャルドラマ版の制作も意味があります。
通産の「あばれはっちゃくシリーズ」 全5シリーズ
『俺はあばれはっちゃく』 1979年2月3日~1980年3月8日、全56話
『男!あばれはっちゃく』 1980年3月22日~1982年3月27日、全102話
『熱血あばれはっちゃく』 1982年4月10日~1983年3月26日、全49話
『痛快あばれはっちゃく』 1983年4月2日~1985年2月23日、全93話
『逆転あばれはっちゃく』 1985年3月2日~9月21日、全27話
「あばれはっちゃくシリーズ」 通算327話 スペシャル版2話
通産の「あばれはっちゃくシリーズ」は通算327話、スペシャル版2話(スペシャルは確認済みのみ)の329話、30分ドラマながらも膨大な300話以上が制作、放送されました。このドラマを視聴していると現代の息苦しい状況ではなく、昭和の時代の余裕や人の優しさなどの多数の良さを感じます。
主人公の通称あばれはっちゃくは通り名やニックネームであり、映像作品としては時代劇映画から始まる影響を受けています。
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通り名脱帽の「槍の権三」 千恵蔵映画とあばれはっちゃくのつながりに時代劇形成の大巨匠
いわゆる時代劇などでもある通り名、たとえば、槍の名手といわれた慶安の変(由井正雪の乱)に登場する時代劇でも知られる笹野権三郎は、「
槍の権三」の通り名でも非常に有名です。時代劇に最低限詳しいと知られています。あばれはっちゃくの通り名やニックネームにつながる代表的な通り名の名キャラクターの一つです。
槍の権三は、槍術(そうじゆつ)を代表する流派の宝蔵院流、
宝蔵院流槍術(ほうぞういんりゅうそうじゅつ)は460年ほどの日本を代表する歴史を持つ武道、十文字槍を使った槍術の有名な名手の一人としても知られています。
映画だと日本歴代の俳優、片岡千恵蔵(戦後は御大、両御大、千恵蔵御大、戦前は時代劇の貴公子、宮本武蔵を定着させ武蔵俳優、日本歴代1位題材の忠臣蔵でもっとも当たり、30本近くの出演と20役近くを演じ、さらに主要最多3役1500万人を記録などから忠臣蔵俳優、時代劇六大スター、七剣聖など、軽く10を越す史上歴代最多の異名数を持つ、
現存バージョン含むと映画主演350作近い俳優)の
千恵蔵映画『笹野権三郎 三日月笹穂切り』(1933年、製作=千恵プロ、配給=日活、伊藤大輔やマキノ雅弘などと時代劇の形成と黄金期を牽引した大巨匠の稲垣浩が監督と脚本)で演じたことがある大役、
両御大にも大差の現実
*たとえば、この10年近辺のみだと、徹子の部屋のテレビ出演で渡瀬恒彦は、自身が世話になった”鶴田浩二と御大”という語り口が印象に残ります。TOKIOのフジテレビの深夜番組で、2020年を代表するテレビドラマ『
半沢直樹』(第2シリーズ)で再び存在感を示した
北大路欣也など、多数の大物俳優が千恵蔵を御大と呼んでいます。いうまでもありませんが、昔はもっと言われており、証拠が多く残されています。
千恵蔵と東映時代に両御大といわれた右太衛門こと、主演数300本を越す日本映画上位の大スター市川右太衛門(
北大路欣也の実の父親)は、実は千恵蔵ほど多くは御大と言われていません。証言数が非常に少なく、互いが双璧の同じ御大といわれましたが、現実が大きな差があったと考えられています。これは通産映画代表作本数や当たり役の数、時代劇ト現代劇の多彩な路線の深い活躍などの大差にも色濃く表れています。
北大路欣也と半沢直樹*ちょっとそれますが、北大路がらみで少し、作品的には
半沢直樹(第2シリーズ)は9話のラスト前の上手な期待感が一番でした。ラストは話をまとめる要素が悪く出てしまい、視聴率的には成功するでしょうが、内容としては少し物足りない部分がありました。
北大路欣也も敵か味方か思わせる、中間的な役位置を演じて、最後は味方的な立ち位置になりました。
2019年に1960年代前半の主演デビュー当時の、東映の時代劇俳優時代の彼の主演映画を観ていますが、80歳近くになって、ようやく、だんだんと、父親の右太衛門の戦後の黄金期の姿に、雰囲気が似てきた部分があります。元から顔の作りが違うと感じていましたが、人の風貌はだんだん変わるものです。
半沢直樹で、記事下で登場の御大と同じ”特別出演”、北大路の出演シーンは要所の出演が目立ちましたが、非常に機能してるように思えました。
通り名脱帽の「槍の権三」 千恵蔵映画とあばれはっちゃくのつながりに時代劇形成の大巨匠パート2
日本最初の映画大スター、目付きが魅力的で付けられたとされる”目玉の松ちゃん”こと、尾上松之助は、映像作品で最初に笹野を演じ、『笹野権三郎』(1911、製作=横田商会)や『笹野権三郎(
槍の権三)』(1924、製作=日活、監督数100を越す戦前の時代劇映画の名匠の辻吉郎が監督)などで、確認できる最低でも4本で演じています。
*横田商会は『笹野権三郎』の翌年の1912年に日本最古の大手映画会社の日活を形成する映画などの会社
日本の古武道 宝蔵院流高田派槍術 [ 西川源内 ]宝蔵院流の宝蔵院流高田派槍術の武道を現代に伝える価値のある映像作品です。
宝蔵院流槍術高田派 国際スポーツチャンバラ協会 西川源内 日本の古武道 宝蔵院流高田派槍術動画は、
宝蔵院流槍術高田派、国際スポーツチャンバラ協会の動画のようです。
千恵蔵御大 時代劇の貴公子 宮本武蔵 武蔵俳優 忠臣蔵 忠臣蔵俳優御大 両御大 時代劇六大スター 七剣聖徹子の部屋 渡瀬恒彦 北大路欣也 鶴田浩二 TOKIO 半沢直樹慶安の変 由井正雪の乱笹野権三郎 槍の権三 宝蔵院流 宝蔵院流槍術 武道 十文字槍 槍術千恵蔵映画 三日月笹穂切り 千恵プロ 伊藤大輔 マキノ雅弘 稲垣浩 目玉の松ちゃん 尾上松之助 辻吉郎槍の名手 大久保彦左衛門と『江戸を斬る 梓右近隠密帳』 歴代ナンバーワン助演俳優
テレビドラマの名作だと「
江戸を斬る」シリーズの1作目『
江戸を斬る 梓右近隠密帳』(1973)でも登場しています。これも千恵蔵つながりがあります。「
江戸を斬る」1作目『
江戸を斬る 梓右近隠密帳』で”特別出演”の千恵蔵が演ずる、
大久保彦左衛門(大久保忠教、彦左衛門は通称が正式、槍は宝蔵院流ではない)は「彦左」や「
槍の彦左」、「天下のご意見番」などと略され、現代も有名、当時より後世の庶民に親しまれました。
大久保彦左衛門といえば、映画やドラマ、講談など、一心太助ともに江戸の難事件解決などの主従の親分子分としても描かれることがある、庶民のヒーローの魚屋の一心太助も有名です。実は彦左を演じている千恵蔵は太助も演じています。
戦前の
千恵蔵映画『一心太助(1930)』(1930年、製作=千恵プロ、配給=日活、監督は大巨匠の稲垣浩)でも有名な太助と彦左の掛け合い場面のお皿を割ってしまう場面から槍の立ち回りの場面も描いています。『一心太助(1930)』は一心太助を主人公にした映像作品で最初にヒットしたことでも有名です。これも個人的に観ている限りだと秀作です。戦前の
千恵蔵映画も非常に質が高い映画が膨大にあります。
千恵蔵や大河内傳次郎などの日活の先輩の山本嘉一(戦前の日活現代劇映画の最初のベテラン主演俳優としても知られる大名優、「乃木将軍」などの主演の当たり役が複数、また多くの名作に助演の活躍、通産主演映画は100を越す、日活創立時からの尾上松之助の盟友)が
大久保彦左衛門を演じ、千恵蔵との見せ場の一つを演じています。『
江戸を斬る 梓右近隠密帳』では当時は将来を期待されていた若手俳優の松山省二(のちに改名し、松山政路)が演じました。
江戸を斬る4 DVD-BOX [ 西郷輝彦 ] 上記リンクは西郷輝彦と松坂慶子の両名です。西郷演じる夫が、千恵蔵映画の当たり役の一つの遠山の金さん、妻が紫頭巾の戦前からの時代劇のヒーローを主要に振り分けたことでも知られています。実は国民的な人気ヒーローの遠山の金さんの妻が、有名なヒーローの紫頭巾だったら、もとい、ヒーローではなくヒロインだったを実現させたことが大きな特徴です。時代劇だからできる、いじくりを成功させました。
残念ながら『江戸を斬る 梓右近隠密帳』(1973)は商品化されていません。ですが、CSやBSで何度も再放送されています。個人的にも視聴、録画しています。上記画像のリンクは『江戸を斬るIV』、「江戸を斬る 第4シリーズ」、または「江戸を斬る 第4部」です。放送当時は『江戸を斬るIV』なのでこれは基本的なものです。
個人的な「江戸を斬るシリーズ」の評価は、評価順に2,1,3,4の順番ですが、視聴率はこの『江戸を斬るIV』が最高を記録しました。当時のシリーズ制のテレビ時代劇の多くが、内容の良さと評判の良さが同じシリーズではなく、1から数シリーズ後に反映される場合があります。「江戸を斬る」シリーズもこの反映型に含まれると考えられます。つまり江戸を斬るシリーズは1,2の評価が3,4に出たともいえます。そのため4がシリーズ最高視聴率となった考え方があります。
江戸を斬るシリーズ 特別出演 大久保忠教 彦左 槍の彦左 天下のご意見番 一心太助 乃木将軍一心太助(1930) 大河内傳次郎 山本嘉一 大久保彦左衛門江戸を斬る 梓右近隠密帳 松山省二 松山政路西郷輝彦 松坂慶子 遠山の金さん 紫頭巾 江戸を斬るIVWikipediaにない2大名優の丸橋忠弥映画
『江戸を斬る 梓右近隠密帳』は他にも槍を扱う有名な役柄が登場します。丸橋忠弥(まるばしちゅうや)です。名優竹脇無我が演じた梓右近では、名優の加東大介が演じています。実は通り名や略称は有名ではありませんが、あえて書くと「槍の丸橋」、「
槍の忠弥」ともいうべきでしょうか、丸橋忠弥も笹野権三郎と同様に
宝蔵院流槍術の名手としても知られています。
御大千恵蔵も槍の名人の丸橋忠弥を『素浪人忠弥(1957)』(1957、東映、監督は名匠の佐伯清)で演じています。実は大河内傳次郎の『素浪人忠弥(1930)』(1930、日活、時代劇の形成と兼任の大巨匠の伊藤大輔)のリメイク的な要素が考えられます。浪人要素と槍物を重ねた要素のある時代劇映画です。
なんと片岡千恵蔵、大河内傳次郎の丸橋忠弥映画は2020年9月の記事公開の時点ではWikipediaに表示されていません。しかも主演映画です。個人的に映画にも詳しいわけですが、これは衝撃で、まだまだWikipediaは情報不足が多数あります。2大スターの映画としてだけではなく、佐伯清と伊藤大輔の名匠同士の映画でもあるため、データがないことに衝撃と同時に驚きました。
【中古】 痛快あばれはっちゃく DVD-BOX 1 デジタルリマスター版 【DVD】『痛快あばれはっちゃく』は全93話、全5シリーズで4シリーズ目として放送され、4代目あばれはっちゃく、2番目に多い話数が製作されました。中古なので比較的安価で購入できます。
丸橋忠弥 竹脇無我 梓右近 加東大介 槍の丸橋 槍の忠弥素浪人忠弥(1957) 佐伯清 大河内傳次郎 素浪人忠弥(1930)Wikipedia天下三本無双天下三本無双ならぬ、”天下三本槍”
今回は、あばれはっちゃくと「槍の権三」、「
槍の彦左」、「
槍の忠弥」の通り名に活路と個性を追い求めた、独自解釈の天下三本無双ならぬ、”天下三本槍”を駆け巡る記事でした。
姉妹ブログの記事 今回もマスコミが無視する真に知るべき、真の日本映画と芸能愛に迫ります。
両手に歴代記念碑 伝説の日本映画初俳優と初時代劇俳優の嵐璃徳 サイレント二大スター凌駕真相
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