過去と未来は今もつながっている、過去の産物が今としてよみがえる場合もあればオマージュとして要素をまとって(纏って)存在する場合もある、この2つがテレビドラマと結びついて今回記事に登場します。
『
鉄道公安36号』黄金期超豪華五大陸と「
東映まんがまつり」『
ゾンビランドサガ』がつながる瞬間スタートです。
前々回の記事で強めに取り上げた永野靖忠へ一度流れを戻します。テレビドラマで活躍した監督の永野靖忠は『
鉄道公安36号』の前身の『
JNR公安36号』(1962~1963)を含めるとこの2本体制が1962~1967までの約5年間にわたって続いていましたし、『
JNR公安36号』にも永野靖忠は参加していた可能性があります。残念ながら『
JNR公安36号』の永野靖忠の関与はデータは存在しておらずに詳細は不明です。
前回記事⇒
鉄道刑事ドラマ形成 定着していた概念と異なる新しい概念五大陸(=五名監督) 独立系と名プログラムピクチャーと日本映画黄金期のたまごたち
『
鉄道公安36号』は永野靖忠以外にも、三國連太郎(三国連太郎)の名作独立系映画『異母兄弟』や江原真二郎の代表作の一つ東映映画『裸の太陽』などの家城巳代治、数千万人を動員の大ヒットしのちにテレビ版につながる大スター&大名優の月形龍之介の東映時代劇映画「
水戸黄門漫遊記シリーズ」などの伊賀山正光(別名義=伊賀山正徳)の2名の映画監督で成功した人物も参加していました。
さらにテレビ中心監督では「
柔道一直線」や「刑事くんシリーズ」、中村梅之助の代表作『伝七捕物帳』(1時間時代劇)、『がんばれ!レッドビッキーズ』などの
奥中惇夫、『特別機動捜査隊』、『特捜最前線』、特撮ドラマの名作『快傑ズバット』、特撮ものの幅をさらに広げた宇宙刑事シリーズ1作目『宇宙刑事ギャバン』、ヒット作の「スケバン刑事シリーズ」などの田中秀夫、映画とドラマの製作が共存した豪華監督陣です。
家城巳代治は独立系でも結果を残した名匠、5名の中でも家城巳代治はあまりテレビドラマに参加しませんでしたが、伊賀山正光は映画を100作以上監督する名映像化監督(名プログラムピクチャー、または名職人監督など)として活躍し、大ヒットしたテレビドラマ『特別機動捜査隊』に初期から末期までの15年以上の長年参加、ほかの3名は日本映画黄金期の助監督(たまご)たちで、映画は少し撮影した人物でした。
水戸黄門漫遊記 怪猫乱舞水戸黄門はテレビだと思い込んでいる、またマスコミに思い込まされている若い方々に知ってもらいたい映画の一つです。水戸黄門は同一題材として世界上位の映画が軽く100作以上作られていますが、テレビでも活躍した伊賀山正光は映画「
水戸黄門漫遊記シリーズ」を14作中10作と最多監督を務め、これが映画のもっとも大きな実積です。
1956年公開の東映映画『
水戸黄門漫遊記 怪猫乱舞』(月形龍之介の「
水戸黄門漫遊記シリーズ」の8作目)はタイトルのままですが水戸黄門に「怪談」やその細部ジャンルの「怪猫」(かいびょう=猫の怪物やばけねこ)の要素を取り入れました。
助さんを月形龍之介の実子のトータルは名脇役の月形哲之介、格さんを東映時代劇映画に150本以上出演した名優の加賀邦男が演じ、東映時代劇映画で活躍した代表的ヒロイン女優の千原しのぶ、のちに藤純子の”緋牡丹のお竜”につながったも考えられる”緋牡丹お蝶”で事実上のヒロインを演じました。緋牡丹お蝶は千原しのぶが同シリーズで何度も演じ、自身の最大の当たり役となりました。『水戸黄門漫遊記 怪猫乱舞』のジャケット表記の4役はこの4人です。
3つの刑事ドラマに携わったプロデューサー中井義
『
JNR公安36号』(1962~1963)のプロデューサーの
中井義はその後身作に該当する『
鉄道公安36号』は『特別機動捜査隊』の両方にメインで参加しています。3作とも刑事ドラマです。某サイトには
中井義が『特別機動捜査隊』に参加している事実がほとんど残されていませんが、彼は『特別機動捜査隊』のチーフプロデューサーとして数多くの話数に参加しています。これは個人的に確認済みです。
*公安官やGメンは現在は専門的分野において警察活動をする人、日本映画やテレビドラマでは現実を少しいじくって刑事や警察としても描かれていることが通産だと多い。
テレビドラマ黄金期超豪華監督陣30分ドラマの名匠
奥中惇夫(おくなかあつお、2012年没)はあるラジオ番組に、自身の本が出版されるときの宣伝でゲスト出演していたことを覚えていますが、簡単には「
柔道一直線」などのことを話していました。彼は当時ではまだ珍しい、テレビドラマで活躍してフリーとなったことでも知られるテレビドラマ監督で、テレビドラマ界のレジェンドともいえるでしょう。
奥中惇夫の映画監督作 (ここではブローアップ版ではあるが自身の監督作とカウント)
1970『柔道一直線(映画版)』 製作=東映テレビプロダクション (テレビ放送18話のブローアップ版)
1973『ロボット刑事(映画版)』 製作=東映東京製作所 (第1~13話の総集編のブローアップ版)
1975『がんばれロボコン(映画版)』 製作=東映東京製作所 (テレビ放送のブローアップ版だと考えられる)
1975『アクマイザー3(映画版)』 製作=東映東京製作所 (ブローアップ版だと考えられる)
1977『ジャッカー電撃隊(映画版)』 製作=東映東京製作所 (ブローアップ版だと考えられる)
配給は全て東映映画
5作ともドラマが好きな人には有名ですが、特に『
柔道一直線』と『がんばれロボコン』は大ヒットした30分放送枠のドラマです。『
ジャッカー電撃隊』(東映のスーパー戦隊シリーズの第2作目)は特撮やドラマ通に評価が高く、個人的にも好きな作品です。『
ジャッカー電撃隊』の前のスーパー戦隊シリーズ1作目の秘密戦隊ゴレンジャーは大ヒットに対して、カルト、マニアック、ファン路線などのローカル路線で製作されました。近年に中国に勝手にパクリられて大騒ぎのウルトラマンシリーズ1作目の『ウルトラマン』(大ヒット作)と『ウルトラマンセブン』(カルト、マニアック、ファン路線)の関係とも通じる部分があります。
実は”
奥中惇夫の映画監督作”の5作とも「
東映まんがまつり」(=東映が児童向けに春休み、夏休み、冬休みの年間3期に分けて上映した事実上の映画シリーズ的な総称)の映画化作品です。1970『
柔道一直線(映画版)』 以外の4つは原作が巨匠の石森章太郎です。個人的にもちろんCSの再放送ですが全部見ていますし、世代じゃなくても見ないとやはり語れません、テレビドラマも映画、アニメも同様ですが、世代だけで観て済ませる方は理解が困難かもしれません。
全部つっこみたいですがあえて抑えて一つだけ、上記の
奥中惇夫の映画監督の5作『
ジャッカー電撃隊』 (東映のスーパー戦隊シリーズの第2作目)に関してですが、実は2018年『
ゾンビランドサガ』(レコード会社のエイベックスのエイベックス・ピクチャーズなどの製作)というファン向けの深夜放送のテレビアニメがあり、この『
ジャッカー電撃隊』の”よく言えばオマージュ”と思われる要素が特にオープニング映像や劇中の一部の設定などに確認できました。
ちなみに
東映まんがまつりは2019年に4本立てで再び戻ってきます。まさに企画力というか、ただの過去のぶり返しだと思われそうですが、過去の産物であっても伝説、こうした個性は現代においても大切です。
『
ジャッカー電撃隊』も『
ゾンビランドサガ』も個人的に見ていますが、『
ゾンビランドサガ』は2018年に放送されたテレビアニメの中でコアなアニメファンに高い評価を受けていました。二次創作要素はもちろん部分的作品群ですが、戦前や戦後の黄金期の時代劇映画で多く製作されていましたが、現代は基本的なアニメの要素の一つになってしまっているのが残念、やはりスポンサーがこれを許さないのでしょう。
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年配の方々にも知っていただきたい今の日本のテレビアニメの現実、でもこれを観ると少し悲しくなるかも知れません。『おそ松さん』も映画化(松竹配給)されており、『ゾンビランドサガ』も同じエイベックス・ピクチャーズなどの製作のため、映画化の可能性もあります。
裏記事もこちらで公開 ⇒↓
テレビドラマ「Gメン」の新しい旅たちを祝う 進化と衰退の隣り合わせの武器
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