ギネス記録は世界記録と異なることをご存知でしょうか。これもいずれ取り上げたいところですが、たとえば田中絹代の映画ヒロイン数はあくまでギネス記録のレベルでは1位扱いですがこれは世界1位ではありません。松竹という巨大な映画会社とテレビ局の権力のなせる技もあるでしょうが、虚構といえばj虚構、今回もテレビと映画の意外なつながりに迫ります。「新撰組テレビドラマ珍々競演 3名製作者 3役映画巨匠」出走です。
下記部分は前回の続きです。
佐伯清と鶴田浩二のテレビドラマにおける関り
東映とNET 『新・日本剣客伝』 4話前後編の2週分 1969 鶴田浩二、藤純子(冨司純子)など
東映とCX 『新選組(1973)』 鶴田浩二、栗塚旭など 1973 全19回中2回に参加
東映とNET 『次郎長三国志(1974)』 1974 全23回中3回参加 鶴田浩二、松尾嘉代など
3作とも全て東映のテレビドラマの時代劇、回数は『新・日本剣客伝』で2話分、『新選組(1973)』で2話分、『次郎長三国志(1974)』で3話分と通産話数は7話分であり、決して多くはありません。
鶴田浩二は『新・日本剣客伝』の4話前後編の2週分において、映画で数十作で共演した藤純子(冨司純子)とテレビドラマでも共演しています。個人的にも多く視聴しているわけですが、映画は恋人役を多く演じていました。
鶴田浩二と映像化&娯楽映画&ヒットメーカーの3役の巨匠
鶴田浩二といえば有名ですが、主演映画350作ほどの大巨星の片岡千恵蔵が現代劇「地獄シリーズ」などで大きな活躍に導いたことでも知られる
小沢茂弘との名コンビでも知られています。
小沢茂弘は片岡千恵蔵の大ヒットギャング映画「地獄シリーズ」の貢献からさらにヒットメーカーの活躍路線に大きく突入していき、のちの鶴田浩二との出会いもここから始まるきっかけになりました。
小沢茂弘は”戦後のデビューの映画監督の最多110作”のほぼ長編映画を手掛け、1960年代から1970年代にかけて鶴田浩二ともっとも多くのコンビを形成、数多くの秀作やヒット作を残し、1960年代は新東宝から東映へ移籍してきた異色映画や娯楽映画で才能を開花の石井輝男と共に事実上の双璧となって、東映の現代劇路線を支えた事実上の名映像化監督、名娯楽映画監督、大ヒットメーカーの3役の映画巨匠であり、同時にこの記事の最初のギネス記録と重なる部分があるわけですが、戦後の一般映画の最多監督としても知られています。
東映の直属の先輩映画監督である松田定次や佐々木康の1950年代の活躍には到底及びませんが、1960年代のみの日本映画監督の中で上位の総観客動員を記録しました。
*戦後のデビューの映画監督の最多110作は”戦後のみの最多という意味”であり、戦前からの活動している監督を含めると”戦後の映画監督数は3位です。
*名映像化監督=求められる原作や原案、テーマなどの映画の映像化の実現に優れた監督であり、職人監督が多い。
その後、
小沢茂弘と鶴田浩二は上記”佐伯清と鶴田浩二のテレビドラマにおける関り”にもありますが、佐伯清も監督で参加したテレビ時代劇の東映とCX(フジテレビの『新選組(1973)』でコンビ、
小沢茂弘は全体を監督するチーフ監督で参加し、もっとも重要な1、2話と最終話を含む8話を担当、鶴田浩二は主演を勤めています。
燃えよ剣 第一巻【DVD】名脚本家の結束信二、名音楽の
渡辺岳夫、名監督の
河野寿一など3名製作者など、テレビドラマの発展に多くの貢献してきた有名製作者が参加、『
新選組血風録(1965)』、「用心棒シリーズ」(4作、1作目は新撰組も登場)、『天を斬る』(1969)、(=時代設定は幕末)の流れを受けた東映の初期のテレビ時代劇を代表する作品の一つです。
『
新選組血風録(1965)』のヒットの流れを受けて、新選組ドラマをさらに定着させた人気作品がこの『
燃えよ剣(1970)』であり、今も見直してもオープニングの曲の流れと映像が斬新です。
オープニング映像は
土方歳三(主演の
栗塚旭)が池田屋の討入りを思わせる虚構ともいえるシーンが展開、リアルになると史実に忠実になるが、創作物の作家性を失うため、良い意味でこれも時代劇の醍醐味を表現しているといえるでしょう。
個人的には
左右田一平演じる架空の人物の
裏通り先生が好きでしたし、印象に残ります。
裏通り先生は一説には全話脚本を手掛けた、結束信二の自画像でもあるという説も存在しています。実本人の感性が部分的に投入されているのではないでしょうか。
左右田一平こと、
裏通り先生は上記写真の一番右です。
鶴田浩二が主演で近藤勇を演じた『新選組(1973)』は、上記『
燃えよ剣(1970)』の約3年後にフジテレビと東映で製作され、
栗塚旭は2番手の
土方歳三を演じています。
次回記事は10月の中旬頃に予定しています。
裏通り最新公開
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