佐伯清は、映画やテレビドラマの監督として歴代上位の活躍をしたとは到底いえませんが、関与した俳優や製作者たちに歴代上位が多く存在していました。テレビドラマの経歴とも関連があるため、前回記事の流れを受けて映画のことからテレビのことへ取り上げていきます。
題して「変幻対応力 「新選組ドラマ」の好演につなげた二つのお家芸の演技」のスタートです。
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佐伯清と戦後最大級の映画主演俳優のテレビドラマ連結歴をスッパ抜け佐伯清と鶴田浩二の映画の全コンビ作 1960~1969 10年 7作
1960『砂漠を渡る太陽』 鶴田浩二の東映専属、第1回主演作
満州と戦争を要素に医師を中心に描く 高倉健が助演
1961『地獄に真紅な花が咲く』 鶴田浩二のギャング映画シリーズ 丹波哲郎や渥美清などの有名俳優も助演出演
1961『湖畔の人』 佐久間良子、江原真二郎が上位出演 社会人の世界を描きつつ、恋愛や人間ドラマ要素の映画
1966『昭和最大の顔役』 鶴田浩二のヤクザ映画&オールスター
丹波哲郎、梅宮辰夫、久保菜穂子、アイ・ジョージ(歌手)、志村喬、芦田伸介、伊藤雄之助、
曽根晴美、大原麗子など豪華共演
1966『侠客三国志 佐渡ケ島の決斗』 日清戦争背景の明治時代の仁侠映画 大木実、菅原謙二らの元主演スター、
久保菜穂子、辰巳柳太郎、河津清三郎らの名優も出演
5
1968『代貸』 鶴田浩二は7作中、唯一の助演、梅宮辰夫が主演、
若山富三郎、大木実、辰巳柳太郎、山城新伍などが助演
1969『必殺博奕打ち』 10作続いた任侠ものを代表する大ヒットシリーズ、
鶴田浩二の博奕打ちシリーズ7作目&オールスター
助演は高倉健、若山富三郎、松方弘樹、菅原文太、浜木綿子、辰巳柳太郎、伊吹吾郎など豪華配役
7
再放送されていない録画済みではない映画(CS放送の東映チャンネルなど)
1961『湖畔の人』、1966『侠客三国志 佐渡ケ島の決斗』
個人的な録画済みの映画(CS放送の東映チャンネルなど)
1960『砂漠を渡る太陽』、1961『地獄に真紅な花が咲く』 、1966『昭和最大の顔役』、1968『代貸』 、1969『必殺博奕打ち』
佐伯清と鶴田浩二の映画の全コンビ作は1960~1969年、10年7作が形成されましたが、この7作の中だとオールスター2作の『昭和最大の顔役』と『必殺博奕打ち』(鶴田浩二の代表シリーズの一つの博奕打ちシリーズの7作目)は互いの代表的映画作品群に含まれるといえるでしょう。
高倉健が変顔披露か? 下段ワイプのひげ男の左と変顔の男の右の謎
必殺博奕打ち上記画像は当時のポスターをDVDの製品ジャケットに使用したものと考えられる。若山富三郎と浜木綿子は上段ワイプ(四角の中)の右と左で分かりやすい、中央が鶴田浩二もわかりやすい。下段ワイプの左右は誰だろう。左は高倉健?いや右だろうか。1960年代に爆発的に当たっていた高倉健が登場していないことはありえないからである。左はひげを生やしていることからも舞台の新国劇の主演大スターだった大名優の辰巳柳太郎なのだろうか?
菅原文太はこの『必殺博奕打ち』の公開した1969年の時点では主演映画の大ブレイクはしていないため、ほぼ助演俳優であり、ワイプから外されているともいえる。松方弘樹は映画の主演で成功せずに助演、または脇役が多い時期のため、ワイプに登場していないと考えられる。特に下段ワイプの右が候補はあるが確定できない。
上記でも取り上げているように鶴田浩二、高倉健、若山富三郎、松方弘樹、菅原文太、浜木綿子、辰巳柳太郎、伊吹吾郎など出演しているため、下段ワイプは上記ワイプ確定の鶴田浩二、若山富三郎と浜木綿子のほかの誰かに該当するのでしょう。顔なじみの俳優さえ、写真の切り取られ方やカメラの位置などで、イマイチ確定できなくなるから恐ろしい
佐伯清と鶴田浩二の二人は映画からテレビドラマへ
佐伯清と鶴田浩二の二人の関りは映画だけではなく、テレビドラマでも監督の主演においても続いていくことになります。特に佐伯清にとっては意味がある存在だったことでしょう。
その理由は佐伯清のテレビドラマ参加17作中、最多の3作の主演が鶴田浩二だからです。映画時代は7作のコンビで大きな代表作はありませんでしたが、テレビドラマは代表的作品に関与しています。佐伯清が参加した鶴田浩二のテレビドラマの中では『新選組(1973)』の鶴田浩二は当時評判がよく、今観ても面白いテレビ時代劇に仕上がっており放送当時は視聴率に苦戦した雰囲気(2クールの26話付近ではなく、19話で打ち切られているため)はありますが、代表的なものでしょう。最近録画した全話数から気になる話数を見直しました。
映画時代のお家芸 鶴田浩二を時代劇に対応して披露して好演につなげた『新選組(1973)』
鶴田浩二が時代劇の
悲壮美に挑戦した役柄が『新選組(1973)』の
近藤勇だったと感じさせてくれます。鶴田浩二は現代劇でも傷を負う役柄が多く、
悲壮美的な要素や路線は挑戦してきましたが、任侠映画とやくざ映画が強く、時代劇映画の挑戦の機会はほぼありませんでした。
映画でできなかったならテレビドラマの時代劇で
悲壮美の役柄に挑戦する機会が『新選組(1973)』の
近藤勇だったといえます。
近藤勇にも歴代に色々な映画やドラマが存在しています。主役や助演で登場し、強い部分だけを見せているものもあれば、もろく崩れる部分を協調した主演や助演の役柄、またはのし上がりから全盛期を経た没落の流れの全体を描くものなど、この『新選組(1973)』は強い部分からもろく崩れていく始まりまでを切り取るように描いています。
*
悲壮美(ひそうび)=悲劇性の中で崇高さを伴って現れる美(鶴田浩二でいうと散り際、去り際の美学、何かを追求の苦しさがある美)
鶴田浩二らしい演技といえば、耐えるという部分でしょう。鶴田浩二は東映に移籍した映画時代の任侠映画とやくざ映画で爆発的な大ブレイクに恵まれましたが、傷を負う役柄と同時に耐える役柄の要素も多く演じています。この二つの要素が重なるものも多く存在しています。鶴田浩二における耐える演技は、傷を耐えたり、苦しい状況や環境に耐えるものが多く、
悲壮美要素と並ぶもう一つのお家芸でした。
耐える要素も『新選組(1973)』の
近藤勇役にも投影させているように思えました。映画の現代劇でお家芸にした
悲壮美と耐えの一面の演技をテレビドラマの時代劇で定着させ、好演につなげていました。
つまり主演映画で仁侠映画とやくざ映画を数十作も経験したから到達出来るテレビドラマの独自な演技があったのです。『新選組(1973)』の
近藤勇はこの独自な部分を感じされてくれました。
山本耕史主演 大河ドラマ 新選組!! 土方歳三最期の一日【NHKスクエア限定商品】『新選組(1973)』は商品化されていないため、その関連。『新選組(1973)』から約32年後の2004年の
大河ドラマ『
新選組!!』で準主役的な立ち位置で演じた
土方歳三が代表的な役柄となった
山本耕史の
土方歳三が主演、
大河ドラマ『
新選組!!』のスピンオフドラマまたは続編的な位置付けで、2006年に放送。
土方歳三の最期の一日などを描く。
今回の裏側公開 大新選組祭を開催中
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