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『遠山の金さん』と『宮本武蔵』で再浮上 時代劇形成千両役者と長年続く奇妙因縁





テレビ時代劇『旗本退屈男(1973)』に参加した稲垣浩、渡辺邦男、佐々木康、伊賀山正光、佐伯清、山崎大助、龍伸之介の中から今回は佐伯清監督に迫りたいと思います。彼の実積を知ることで低迷しているテレビドラマ界の再起や飛躍のヒントが隠されているかもしれません。

今回は『遠山の金さん』と『宮本武蔵』で再浮上 時代劇形成千両役者と長年続く奇妙因縁ち題して独自列車が走ります。




前回記事⇒テレビドラマで実現した通産43年の終着駅 主演俳優の苦悩苦闘の前に欧米人



名音楽家の牧野由多可とテレビ時代劇『旗本退屈男(1973)』






東映チャンネルは2018年6月から7月にかけてテレビ時代劇『旗本退屈男(1973)』をハイビジョン版で再放送をしています。チワワドラマはアニメも好きですが、特に東映時代劇のファンでもあり、東映チャンネルに長年加入しています。『旗本退屈男(1973)』は以前に時代劇専門チャンネルでCS初放送されたときにハイビジョン版で初めて録画していますが、今回も新たに2018録画版として再録画しています。

部分的に少し見直しましたが、『旗本退屈男(1973)』の牧野由多可は現在聴いても曲が良いですよね。彼は作曲を山田耕筰に師事して邦楽合奏も得意としており、手がけたテレビドラマ音楽にも独特な個性を残しています。ですが、テレビドラマの音楽の数がすごく少ない部分が難点です。


牧野由多可は『旗本退屈男(1973)』のほかに刑事ドラマの大ヒット作『特別機動捜査隊』の1961~1966年まで初代の音楽やテレビ時代劇『お命頂戴!』(1981)は印象的です。『特別機動捜査隊』も独特でセンスが良いわけですが、片岡孝夫(現在の片岡仁左衛門)が主演した秀作時代劇『お命頂戴!』のテーマ曲だけでなく、劇中曲の数々が作品の中で異彩な光を放っており、個人的に名曲です。邦楽の要素を映像音楽としてかみ合うように上手に仕上げ取り入れています。彼なりの和の表現が感じられ、ドラマの中で曲が聞けますが劇中曲のサントラがないのが非常に残念です。


現在の日本の音楽家も欧米音楽だけではなく、この邦楽の要素を映像音楽をぜひ行ってほしいものです。


牧野由多可 作曲 尺八譜 三曲 落葉松 (送料など込)
牧野由多可 作曲 尺八譜 三曲 落葉松 (送料など込)






テレビドラマ『旗本退屈男(1973)』に行き着くまで 佐伯清の存在





『旗本退屈男(1973)』の参加話数
佐伯清 9、10、22話



チワワドラは下記の内容をドラマブログで全面に出していいのか、正直悩みましたが、彼もテレビドラマでも監督を担当したため、映画のことも登場させています。佐伯清はテレビドラマの監督としても活動しましたが、9割が映画で活躍した人物だからです。

この『旗本退屈男(1973)』を独自な形で取り上げるためには重要なことだと考えて今回も挑戦させていただいています。





佐伯清 離れても引きつく磁石を白日の下に晒す 歴代超大物スターと長年続いた奇妙な因縁





佐伯清は片岡千恵蔵の映画会社の千恵プロ(時代劇形成貢献と戦後の黄金期を牽引した歴代映画スター片岡千恵蔵の映画製作会社、全体は戦前の時代劇映画の最王手の日活映画が配給)で、伊丹万作の代表作の2本、1935『戦国気譚 気まぐれ冠者』、1936『赤西蠣太』の助監督デビュー、その後、伊丹万作は東宝に引き抜かれてしまい、移籍に伴って佐伯清も東宝へ移籍、1938年『巨人伝』などの東宝の製作担当を経て、1940年代後半に監督デビュー、長谷川一夫の好評価の現代劇『ぼんぼん』を手がけ、同俳優の「銭形平次捕物控シリーズ」の事実上の1作目の1949年『銭形平次捕物控 平次八百八町』(配給・新東宝)を監督、のちの10作以上となるシリーズの形成に大きく貢献します。


その後は新東宝時代に1951年に片岡千恵蔵がトップスターとしてスタートの映画会社の東映の創立直後の千恵蔵の「ギャングシリーズ」&「にっぽんGメン」の3作目1951『にっぽんGメン 不敵なる逆襲』を手がけるも東映へ移籍せず、新東宝映画中心に、東宝で大河内傳次郎の最後の主演・大石内藏助の『四十八人目の男』(1952)を手掛け、ようやく1953年に東映へ正式移籍、東映映画1作目は山田五十鈴と大友柳太朗による1953『加賀騒動』でした。


赤西蠣太 [VHS]
赤西蠣太 [VHS]

MANSAKU ITAMIの英大文字が印象的、実は赤西蠣太や国士無双は近年に欧州で上映されて評価されています。当時、これを製作したことが凄い事です。


上記の画像の通りにっかつ名作映画館の扱いでリリースされていますが、製作は千恵プロ、配給は日活なので日活作品にも該当します。原作の文豪・志賀直哉が名作映画「赤西蠣太」の撮影中に片岡千恵蔵伊丹万作のエスコートとを受けて、千恵プロの撮影所を接対、案内されたというエピソードが残されています。「赤西蠣太」の助監督だった佐伯清もそこにいたのかも知れません。

志賀直哉は撮影所の経験が生涯嬉しかったようで、チワワドラはこの音源を聞いていますが、志賀直哉が存命中に出演したNHKのラジオ番組でこのエピソードを嬉しそうに語っています。志賀直哉の映画化作品はたとえば、映画200作の吉川英治などと大衆大作家などと比べると極端に少なく、この「赤西蠣太」だけ映画化作品の中でも”突き抜けて当たった”ことも本人が嬉しいがる部分に大きく影響していることでしょう。







『遠山の金さん』と『宮本武蔵』 時代劇形成千両役者との再びの再縁に恵まれる






佐伯清の東映時代は再び片岡千恵蔵との奇妙な因縁が再開します。千恵蔵の当たり役の一つ「遠山の金さんシリーズ」とオールスター要素の1955『勢ぞろい喧嘩若衆』を監督、東千代之介の初の現代劇映画主演作の1956『夕日と拳銃 日本篇 大陸篇』、東千代之介(佐々木小次郎役)と千恵蔵(宮本武蔵役)の2大スターによる1957『佐々木小次郎(1957)』、『佐々木小次郎 後篇』も実積、ここからさらに流れに乗っていきます。


片岡千恵蔵とは1935年に佐伯清が助監督時代に知り合い、1950年代からの移籍や東映時代の活躍の流れに導いたわけであり、監督の師匠の伊丹万作だけでなく、ある種の影の恩師だったともいえるかもしれません。片岡千恵蔵は歴代主演映画俳優の中で戦前からもっとも数多くの映画監督に幅広い良い影響を直接与えています。前回記事の丸根賛太郎も同様ですが、佐伯清も数多くの一人といえるでしょう。



夕日と拳銃 上巻 (角川文庫)
夕日と拳銃 上巻 (角川文庫)

1950年代を代表する時代劇映画スターの一人の東千代之介が現代劇の主演を務め、檀一雄の原作の「夕日と拳銃」を佐伯清が『夕日と拳銃 日本篇 大陸篇』として映画化しました。『夕日と拳銃 日本篇 大陸篇』はCS放送で再放送されており、個人的にも録画しています。




*今回の裏通り記事  ↓    ↓
名匠の霧の小次郎と昭和残侠伝 高倉健が片岡千恵蔵から引き受けた大影響

ウラの前回記事⇒当たり役と時代の荒波の飲み込まれてから10年後の奇跡


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関連タグ : 佐伯清, 牧野由多可, 旗本退屈男, 赤西蠣太, 志賀直哉, 遠山の金さんシリーズ, 佐々木小次郎, 宮本武蔵, 伊丹万作, 片岡千恵蔵,

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  • 7名の総主演映画数は最低でも1600作、総出演数は2400作に上り、これは世界歴代に前人未到の功績

  • 片岡千恵蔵 市川右太衛門 長谷川一夫 嵐寛寿郎 阪東妻三郎 大河内傳次郎 月形龍之介を歴代トップ7と称して『七剣聖』と呼ぶ(左から主演数順)
  • 七剣聖のほかに、片岡千恵蔵 市川右太衛門 長谷川一夫 嵐寛寿郎 阪東妻三郎 大河内傳次郎を『時代劇六大スター』(時代劇形成の戦前1920年代後半から1940年代かけてトップ6の意味と大きな活躍、その黄金期から戦後にかけて)と呼ぶこともあり
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  • 特に観客動員1位の東映は片岡千恵蔵と市川右太衛門のトップ、長谷川一夫は大映のトップとして戦後の映画黄金期(特に7年連続観客動員8億人の1955~1961)に多大な貢献と活躍、多くの後輩やテレビドラマにも大きく影響
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