【2大衛門劇場】
中村吉右衛門と
市川右太衛門のターニングポイントドラマに肉迫と題して展開させていただきます。
前回記事の
【大進撃】映画界の天皇 渡辺邦男が参加した主なテレビドラマたちを公開に登場した
中村吉右衛門(2代目、2017年時点で存命)が主演したテレビドラマ『
右門捕物帖(1969)』と、戦前と戦後で活躍した長期の映画スター
市川右太衛門が主演したテレビドラマ『
旗本退屈男(1973)』(映画で戦前と戦後を通じて30作に主演した
旗本退屈男シリーズのテレビ版)は現在も全話が残されていますし、ファミリー劇場や時代劇専門チャンネルなどのCS放送で何度か再放送されています。
中村~門と市川~門の2大衛門劇場
中村吉右衛門のテレビドラマにおける活動に流れテレビドラマの当たり役の
鬼平犯科帳の長谷川平蔵などを演じた
中村吉右衛門(2代目)は、連続のテレビドラマ時代劇の主演はこの『
右門捕物帖(1969)』が確認できる限りでは最初です。
中村萬之助の名義時代の1956年からテレビドラマに出演していますが、父の初代・
鬼平犯科帳の長谷川平蔵を演じた父の
松本幸四郎(最晩年の1981年に初代の
松本白鸚を襲名、歌舞伎の名優、松竹映画でオールスターものに多く出演、長谷川平蔵を当たり役としてテレビドラマでも活躍)や2017時点で存命の実兄の現在の
松本幸四郎(テレビドラマで多数の共演あった1950年代の中村萬之助の名義時代は市川染五郎の名義)との共演が多くありました。
その多くは単発の時代劇や現代劇のテレビドラマでした。この時期が1960年代の後半まで続いていきます。その後、
中村吉右衛門は現代劇の代表作の『
ながい坂』(全20話、1969年3月から7月にかけて放送)に主演して、続いて主演したのが『
右門捕物帖(1969)』でした。

山本周五郎による原作の
ながい坂 (上巻) (新潮文庫) 中村吉右衛門のテレビドラマ『右門捕物帖(1969)』と映画の嵐寛寿郎版シリーズの流れ『
右門捕物帖(1969)』の元となる映画「
右門捕物帖シリーズ」は1930年代から1950年代にかけて製作され、戦前は評論家に支持を受けた作品がいくつか作られました。のちに数多く作られる捕物ジャンルの時代劇の源流ともいわれる右門捕物帖映画の大きくは
嵐寛寿郎からの映像化の歴史があり、
嵐寛寿郎の「右門捕物帖シリーズ」は「鞍馬天狗シリーズ」に次ぐ自身の最大の当たり役の一つでした。この流れや影響を大きく受けたのが中村吉右衛門の『右門捕物帖(1969)』となります。
ドラは数多くの俳優バージョンの右門捕物帖を視聴していますが、基本的には主人公の近藤右門が無口だが正義感に熱く、信頼できる上司、個性的なライバルの同心や配下などと、十手と柔術を駆使して犯人を追い詰めるシンプルだが奥が深い作品が右門捕物帖でした。
『右門捕物帖(1969)』はCS放送で2000年代前半に放送されていましたが、そのときは現存する映像を尊重した標準画質でしたが、2010年代にハイビジョンマスター化の作業が行われました。下記部分の『
旗本退屈男(1973)』と同様にハイビジョン画質版が放送され、ドラは録画、標準画質を中心に視聴しています。歌舞伎や時代劇のテレビドラマの名優、中村吉右衛門に関してもいずれ機会があれば詳しく迫れたらと感じています。
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残念ながら中村吉右衛門版は商品化されていません。これは
杉良太郎版の右門捕物帖(1974~1975年の東映製作版)です。
杉良太郎版の第2シリーズがテレビ番組制作会社のユニオン映画と
杉良太郎の制作会社・杉友プロダクションなどにより、1982~1983年に作られましたが、ドラは東映版のほうが圧倒的に好きです。主演は同様の
杉良太郎でも、やはり時代劇の名門の東映の制作が娯楽、演技の型、バランス、システム、テンポ、音楽など総合的に群を抜いて上手かったです。いくら俳優が魅力が高くあってもある程度は周囲の制作のレベルは大切だと痛感させられました。
右太衛門と映画「旗本~」とテレビドラマ『旗本~(1973)』
旗本退屈男は映画とテレビドラマの基本は同様であり、旗本の主人公の早乙女主水之介が周囲のさまざまな個性の人々と協力して、闇にはびこる悪を成敗する明朗快活な雰囲気と誰でも理解できるあらすじで、視聴者の教養の有無に関係なく、子供からお年寄りまで世代を問わずに誰でも理解できる時代劇映画として人気を博しました。
旗本退屈男の映画の観客動員は戦後の東映中心シリーズだけでも最低2000万人以上、1度の年間観客動員ベスト10入りを果たし、個人的には3000万人ほどは記録していた可能性を指摘しておきます。実は当時の日本映画の観客動員はベスト10ももちろん重要ですが、ベスト10以下も大変に重要です。何故なら今よりも何倍も観客を動員している時代ですから、500万人級の大ヒットを記録してもベスト10にランクインしない時代が、7年連続8億人のときを最大黄金期でした。
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市川右太衛門の映画出演300作記念として作られたシリーズ23作目の『旗本退屈男(1958)』の映画版、東映の映画黄金期を形成に導き、支えた左下に片岡千恵蔵、右下に
市川右太衛門の両御大の顔が見られます。
裏通りはさらに深く深く掘り進めたい
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『旗本退屈男(1973)』 連続テレビドラマ史希少の4巨匠1名匠の豪華布陣集結
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