1970年代を代表するテレビ時代劇・
大岡越前と映画時代の関係は、奥底の深い部分にまで至ります。前回に取り上げた日本映画のサイレント期から時代劇の形成期、最大の黄金期を支えた月形龍之介のほかにも、
大岡越前への形成に関与した人物ととある題材があります。
形成に関与した人物の1人が
大河内伝次郎です。時代劇を形成し戦前の時代劇黄金期を主演スターで支えた1人が彼でした。映画における時代劇の黄金期は、1930年代の戦前の時代劇6大スターなどの活躍や時代劇4大巨匠などによる大きな繁栄期、1950年代の東映や大映を中心による爆発的な興行を生み出した最盛期の二つに分かれる考え方があります
最初の小説家・林不忘(はやしふぼう)による原作として名高い”
大岡政談”の映像化は、反逆のヒーロー・丹下左膳が登場する
大岡政談の物語の一つとして、映画化されていました。
大岡政談の
大岡越前は脇役でした。
最初の映画化は、丹下左膳=嵐長三郎(のちの
嵐寛寿郎)の主演でしたが、最初の林不忘による
大岡政談もの映画は、
阪東妻三郎をの才能を開花させたことでも知られる名匠・二川文太郎という映画監督による映画でした。
ちなみに1928年の「新版
大岡政談」の総指揮は、日本映画の父・日本初の巨匠・日本の映像芸能の父、日本最初の映画大スター・
尾上松之助との名コンビなどの数多くの功績を持つ超大物の牧野省三でした。
その後、原作有の
大岡政談として大きな転機となるのが
大河内伝次郎による大岡政談ものの存在です。のちの巨匠・
伊藤大輔と歴代上位の映画スター・
大河内伝次郎が
大岡越前の形成に関与していました。
大河内伝次郎による当初の大岡政談もの
1928「新版大岡政談 第一篇」 日活
1928「新版大岡政談 第二篇」 日活
1928「新版大岡政談 第三篇 解決篇」 日活
日活=日活太奏
監督は全て
伊藤大輔が担当で、サイレント映画
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いろいろ無理があるセレクトですが、↑↑伊井蓉峰(いい ようほう)は、生涯で映画にほとんど出ておらず、時代劇の映画スターではなく、映画に出演しただけであり、ほぼ舞台のスター俳優でした。
伊藤大輔と
大河内伝次郎のコンビによる大岡政談は評価やヒットして、登場人物の丹下左膳も受け入れられましたが、丹下左膳は映画初期ののアウトローヒーローの一つでもあり、のちのアウトローヒーローともいえる「
座頭市」(
勝新太郎や北野 武など)へ長年にわたってつながっていきます。
その後の大岡政談の幅を広げるため、
大岡越前が引き続き登場しながら、丹下左膳が登場せずに別の主人公を作り出す作品が作られました。それが”神尾喬之助、茨右近”を登場する大岡政談の「魔像」の存在でした。
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