離れ離れになっていた友人との予想できない再会、しかし、その友人は変わり果てていた。心さえもすさんでいたとしたら、それでも青年は少年時代と同じように友人と関わりを持つ、たとえ、良く思われていないとしてもいい。
前回の続き(
さらば、2014!!レアドラマ探検隊が歴代”日曜劇場”と大接触)ですが、「
友、遠方より」というドラマです。江戸時代、青年になった五郎三と20年ぶりに再会する幼馴染みの親友の清太郎の再会話を中心にした時代モノドラマです。五郎左の思いを寄せているおよねも作品に花を添える。20年ほど前にしじみ売りをしていた少年時代の五郎三は、清太郎に親切にされたことを今も覚えていたのです。川に溺れたときに清太郎に命を助けられた親切を五郎三は覚えていたのです。しかし、片耳を失っていた清太郎は荒れ狂い荒んだ生活をしていたのです。昼から酒を飲み酔いつぶれ、女にちょっかいを出す。そうなのです。清太郎は五郎三を憎んでいる気持ちもあったのです。五郎三を助けたために、耳を失ってしまったからです。いいことをしたというよりも自分の辛い思い出となっているのです。二人の中ではすれ違い通い合わない友人同士、この二人の友の行き先は、果たして・・・こういうドラマです。個人的な名作レアドラマです。当然ながら、商品化もレンタル化もされていません。
「友、遠方より」は1970年に「
東芝日曜劇場」が”1話完結式の時代”に放送されました。1時間枠の約50分ほどのドラマでありながら、シナリオもバランスが取れていて無駄がなく、素晴らしい演技が展開されていました。3名の登場人物を中心に展開します。
中村勘三郎(17代目)、
中村翫右衛門、
香川京子です。終盤に
奈良岡朋子の出番が少しありますが、今のドラマでは、数名のメインの内容はもう作れないと思います。数名といってもかなりの名優が出ていますから、できる部分もあります。現在と俳優とは、レベルが違います。配役・五郎三は中村勘三郎(17代目)清太郎が中村翫右衛門、およねは香川京子。

中村勘三郎(17代目)は、かなり晩年の写真のようです。この作品はある特徴があります。そのある特徴とは、中村勘三郎(17代目)、中村翫右衛門の共演です。超名優とも言われる名優以上の俳優同士が生涯でただ1度きりの共演を果たしたドラマでもあるのです。
・中村勘三郎(17代目)といえば、人間国宝であり、先ごろ亡くなった18代目の中村勘三郎の父でもあります。説明するまでもない名優です。見てる限りでいうと、演技は18代目よりも上手い。数多くの役を演じて長年にわたり人気を得た、1975年に人間国宝に認定。
・中村翫右衛門(かいえもん)は、
中村梅之助の父で、近年もテレビドラマに出ている
中村梅雀の祖父でもあり、通称
前進座時代劇といわれる映画群などに多数出演し、いくつかの代表作もあります。また、中村翫右衛門は、名優の河
原崎長十郎らと共に
前進座を結成して、両雄として大活躍しました。歌舞伎をベースとした新しい演劇として一時代を築いた人物です。映画よりはこちらはメインです。

巨匠溝口健二の名作時代劇、ドラも見ています。俳優では主演300作の超大スター映画俳優の市川右太衛門が突き抜けてすばらしかった。中村翫右衛門も富森助右衛門の役で出演。かなりの若き日が見られます。・香川京子、1950年代の日本映画の全盛期にフリーで活動した美人女優です。
小津、黒澤、溝口、成瀬などの日本を代表する巨匠の映画にいくつか出演し、脇ながらも代表作としており、映画の内容がよかった全盛期を知る数少ない現役の名女優です。
ドラマでは、17代目中村勘三郎が、すすり泣く演技が特に素晴らしいものでした。”男が友のことだけを想い泣く涙”。それと中村翫右衛門との掛け合いシーンは、個性の違う演技のぶりかり合いがなんともいい味がある。これが生涯1度きりの名優同士の演技であると思うと、さらに考え深い部分があります。演技だけで数度、見直してしまいました。ドラマではなかなかありません。今のように無駄な俳優が一人もいないのは勿論ながら、内容が引き締まり、無駄がない内容である。これは今ではできないレベルにまで、達しているのではないかと思います。また録画したDVDを引っぱりだしてみるのもいいのかもしれません。
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