1960年代のテレビドラマに形成や確立にはライバル会社同士の交わりが存在していました。今回はその部分にもスポットを当てていこうと考えています。「テレビドラマ界のシークレット厳守 東宝と東映の公武合体の証拠を紐解く」スタートです。
前々回⇒
【三船プロ秘録】金の種亡き父親にすがる息子 野武士に稲垣ドラマの全真相の3見出し目の「野武士とこの製作プロダクション 今も金の種の亡き父親にすがる息子の姿」の部分に関連した記事です。
『五人の野武士』に秘められた東宝と東映の公武合体 その証拠を暴く
三船プロダクションが製作に関与したテレビ時代劇『
五人の野武士』の監督は、東映の時代劇映画の黄金期に貢献した映像化の名手の
萩原遼(A)と
内出好吉(B)が事実上のチーフ的役割を果たしている作品でした。この二人の参加担当話数は通算14回であり、二人だけで全26話の半分を越しています。
萩原遼はもっとも重要な基礎となる1、2話などを担当し、
内出好吉は最終回を含む10話を担当しました。さらに大映出身で東映やユニオン映画のテレビドラマに多く参加した西山正輝、東宝や三船プロ(配給は東宝)で助監督で東宝映画に参加した経験がある丸輝夫が中心で参加していました。全体は東映の印象です。
(A)萩原遼=特に戦後に活躍したほぼ娯楽時代劇映画の名匠の一人、名プログラムピクチャーでもあり、数多くのヒット作を量産した。特に映画俳優は
片岡千恵蔵との16作、
中村錦之助との19作、東千代之介と11作の名コンビで知られる。
さらに
萩原遼に関しては長くなるのでコチラのウラブログ ↓ ↓
超豪華製作陣営 東宝関連のテレビドラマに東映の2名匠が困窮(B)内出好吉=時代劇の大巨匠の伊藤大輔のヒット作『おぼろ駕籠』(1951)で助監督を経て、松竹で監督デビューするが大きな成果は挙げられず、数年で東映へ移籍、その後の上位から数番手扱いの映像化監督として定着
更なる
内出好吉に関してウラブログ ↓ ↓
超豪華製作陣営 東宝関連のテレビドラマに東映の2名匠が困窮
新諸国物語 「笛吹童子」 [DVD]映画監督やテレビドラマ監督の
萩原遼は上記の『
新諸国物語 笛吹童子』3部作(映画)も代表作です。
金正日 隠された戦争―金日成の死と大量餓死の謎を解く (文春文庫)この↑の
萩原遼とは別人です。この人は映画監督やテレビドラマ監督のではなく作家であり、同姓同名なだけです。
『五人の野武士』 脚本の全体は東宝関連
脚本も全体は東宝関連でした。1950年代の東宝映画の最大の黄金期を支えた大脚本家の
笠原良三(C)が1,2話を含む、3回を担当、東宝を中心に東映でも活躍した娯楽脚本家の
松浦健郎(D)が最終話を含んだ4話、今回全体で取り上げている藤木弓(稲垣浩の脚本家の名義)が3回、さらに名映画監督の岡本喜八、大脚本家の
八住利雄(E)も東宝で活動した人物です。脚本牡中心は完全に東宝メンバーで彩られています。
(C)笠原良三=「社長シリーズ」、「サザエさんシリーズ」、「大番シリーズ」、映画版「お父さんはお人好しシリーズ」など多数のシリーズ代表作、東宝の戦後の娯楽路線の映画黄金期を支えた大脚本家、1950年代中盤から1960年代にかけての東宝の東映に次ぐ全体の2位に大きく貢献 大ヒットよりはスマッシュヒットが多く、脚本数は日本映画の長編映画で歴代2位の260作ほど、現在でも知る人は知る人物です。長編映画の脚本数で世界歴代1位は時代劇映画のトップ脚本家の八尋不二です。
*「お父さんはお人好し」はラジオが爆発的にヒットしたことで有名であり、ラジオの大ヒットを受けて、映画化されました。
(D)松浦健郎=日本映画黄金期の1950年代から1960年代を中心に東宝、東映、日活を中心に名作、大ヒット作を現代劇と時代劇を問わずに多く手掛け、短期間に大活躍した娯楽脚本家の大名手です。通産映画脚本数150強。
松浦健郎は、
片岡千恵蔵の『無法街の野郎ども』や『ギャング忠臣蔵』などの通称「千恵蔵のギャングシリーズ」、『地獄の底までつき合うぜ』の「千恵蔵のギャングシリーズ」の内部編ともいえる「地獄シリーズ」、「千恵蔵の遠山の金さんシリーズ」の『さいころ奉行』、鶴田浩二の『弥太郎笠 前後篇』や『ハワイの夜』、マキノ雅弘監督の東宝の「次郎長三国志シリーズ」の1~7作目、稲垣浩監督の『佐々木小次郎』の3部作と『佐々木小次郎(総集編)』、石原裕次郎の『風速40米』、『天下を取る』、『喧嘩太郎』、高倉健の初期の代表的「大学の石松シリーズ」、
三船敏郎の『新選組(1969)』が主な代表作です。
松浦健郎の名前は当時の大活躍ほど現代に知られていないため、今回は多めに取り上げました。
新選組[東宝DVD名作セレクション]豪華キャストか集結した
三船敏郎の『新選組(1969)』。監督の沢島忠はとある大俳優などの起用などを巡って東映と揉めて飛び出したとも言われますが、本人は東映のレジェンドトークという番組でこのことを否定していました。どちらにしても東映をフリーとなり、東宝で監督したことは事実です。その沢島忠監督は2018年に入って91歳で永眠されました。また沢島忠に関してもどこかで取り上げたいと思います。
東宝歴代トップの大脚本家の八住利雄 文芸映画と娯楽映画の無双の活躍
(E)八住利雄=映画脚本数通産240強、東宝の1930年代の初期から戦後の1960年代前半までの最大の黄金期にかけて大活躍、戦後は
笠原良三とともに東宝の2大脚本家として知られる。
*(E)は見出し「『
五人の野武士』 脚本の全体は東宝関連」の部分からです。
さらに続きはキーワードが多すぎるため続きはこちらへ移動公開
↓ ↓ 4月5日公開
映画240作の歴代大脚本家の八住利雄の知られざる扉を取り払う『五人の野武士』の監督と脚本家たちは現代では考えられない俳優以上に豪華メンバー
『
五人の野武士』の監督と脚本家たちは現代では考えられないレベルの実積の持ち主たちでであり、俳優以上に豪華メンバーが揃ったことがわかります。
『五人の野武士』の豪華監督と脚本家たち
監督 萩原遼、
内出好吉脚本
笠原良三、
松浦健郎、藤木弓(巨匠・稲垣浩の脚本家の名義)、岡本喜八、
八住利雄俳優と脚本家は東宝が中心、監督は東映の印象が強く、東宝強めの共同制作のような印象を残します。『五人の野武士』は貧しい人々を描いたあらくれものたちにスポットを当てたテレビ時代劇でもあり、映画『七人の侍』(黒澤明)のデフォルメや映画『戦国無頼』、『戦国群盗伝』(両方とも監督は稲垣浩)などの要素を感じさせてくれます。聞こえが悪いですが三船プロによる真似の要素もあります。この辺の作品からヒントを得たことでしょう。稲垣浩が脚本で『五人の野武士』に参加したのは以前の自分の監督作品の要素が存在しているからかもしれません。
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取り上げているドラマがあまり商品化されていないので、多くは映画関連になってしまうのは致し方ないとして、最後はテレビドラマ『五人の野武士』です。これでようやく結び目が締まりました。
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